日帰り中絶手術について
人工妊娠中絶手術は母体保護法が適応される場合で、何らかの事情で今回の妊娠を中断しなければならないときに行う手術です。手術は母体保護法指定医のみが行えます。また人工妊娠中絶手術が受けられるのは妊娠22週未満(21週6日)までと決められています。
当院では妊娠初期に関し、日帰りによる人工中絶手術を行っています。
妊娠初期(12週未満)の場合の手術内容(日帰り)
妊娠初期では、子宮内除去術として子宮内容を器具で掻きだす掻爬(そうは)法、もしくは器具で吸い出す吸引法が選択されます。このうち吸引法は子宮内膜が傷つきにくく、手術時間が短くて済み、母体への負担が少ないとされています。
手術に際しては、あらかじめ子宮口を拡張した上で麻酔をし、機械的に子宮の内容物を除去します。通常は約10~15分で終了し、痛みや出血も少なくなっています。しばらく院内にて様子をみた後、体調などに問題が無ければその日のうちに帰宅することができます。
中絶を行った場合、次の妊娠が難しくなると不安を感じる方がいるかもしれませんが、術後は子宮内膜が本来の状態となり、妊娠しやすくなる可能性もあります。ただし、術後のケアが十分でなく感染症にかかってしまったり、中絶を繰り返して癒着が生じてしまったりした場合には注意が必要です。
日帰り中絶手術の流れ
当院で日帰りの人工中絶手術を受けられる場合、以下のような流れになります。
予約
まずは当院までお電話ください。状況をお話しいただいたうえ、診察日・時間の予約をとっていただきます。
※当日の診療状況などによって時間通りに診察できない場合もあります。申し訳ございませんがご了承いただければと思います。診察
診察ではまず問診を行います。次に超音波検査で妊娠週数の確認などを行い、さらに血液検査を実施します。
検査結果に基づき、人工中絶手術に関するご説明をさせていただきます。手術を行うことが決まりましたら妊娠週数などを踏まえ、手術の日時を決定し予約していただきます。手術日当日
予約した日時にご来院いただき、手術を行います。手術は静脈麻酔をかけて行い、痛みを感じることはありません。手術自体は10~15分程度で終了します。
手術終了後は術後の経過をみるため、しばらく院内で安静にしていただきます。麻酔が覚めたら水分を摂っていただき、術後に服用いただくお薬についてと注意事項に関し、ご説明いたします。
特に問題がみられず、お体の状態が回復いたしましたらご帰宅となります。術後検診
術後の経過をみるため、術後10日以降をめどに受診していただきます。術後の経過を診察させていただき、エコー検査など行います。そこで問題がなければ手術と術後の経過観察は終了となります。
その後に関しても何か異常や不安を感じましたら、遠慮なく受診ください。
中絶手術の副作用
人口妊娠中絶手術は基本的に安全な手術であり、手術後一定期間が経てば子宮は妊娠前と同様の状態に戻ります。多くの場合、手術後1ヶ月程度で次の月経が来ます。ただし、非常にまれですが、合併症を発症することがあります。合併症としては、子宮の中に胎児や胎盤などが取り残される遺残(いざん)や、子宮に穴が開く子宮穿孔などがあります。子宮穿孔を起こした場合は緊急手術が必要となる場合があります。